民事再生をした場合の返済額に関するQ&A

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年02月17日

民事再生をした場合の返済額に関するQ&A

Q民事再生をすると借金の返済額が減ると聞きました。いくら返済するかはどうやって決まるのでしょうか?

A

 持っている財産全額が返済額になるのが基本です。
 いつの時点の財産かや、財産額の評価の仕方に問題があります。

 

1 民事再生法の返済額の決め方

 民事再生では、再生手続開始決定時の評価額を決める財産評定という手続きがあります。
 参考リンク:裁判所・倒産手続
 財産の評価の仕方は、財産を処分するものとして評価するのが原則とされています。
 そして、民事再生法が認める最低の返済額は、この財産の評価額になります。
 仮に会社が破産する場合にも、全部の財産を処分して現金にした額が債権者(金融機関等)に支払われます。
 破産する場合よりも少ない額しか債権者に払わないのであれば、債権者からすれば破産した方がよいということになるので、再生手続開始決定時に全財産を処分した場合の評価額を決め、その額は最低支払わなければならないとされているのです。

 

2 財産額の決め方

 では、再生手続開始決定時の財産の処分価格をどう決めるかというと、難しい問題があります。
 預金はその日の何時の残高、保険はその日に仮に解約した場合の解約返戻金額と争いないものもあります。
 しかし、たとえば、不動産や売掛金をいくらと見積もるかは難しい問題です。
 一般には、売掛金は、通常どおり支払える見込みのある取引先であれば、額面どおりか1~2割程度減額できるかどうかです。
 不動産は、不動産業者2社の査定の平均値であったり、不動産鑑定をする場合もあります。
 在庫商品等ではもっと評価が難しく、依頼を受けた弁護士としては、裁判所や債権者を納得させられる評価額の出し方に苦心するところです。

 

3 再生手続開始決定後に財産が増えたり減ったりした場合の扱いも争いがある

 財産評定は、再生手続開始決定の日を基準に行いますが、その後再生計画案を提出したり、裁判所が認可決定をするまでに、財産額が増えたり減ったりするのが通常です。
 たとえば再生手続開始決定時に財産額1000万円と評価され、認可時に800万円に減っていた場合、債権者からすると1000万円は最低払ってもらえると思っていたのに、800万円しかもらえないのでは問題があるとも考えられます。 
 これは、財産額が増えたり減ったりした理由や裁判所ごとにも運用が異なり、難しい問題ですが、一般的には、再生手続が始まるときと認可される見込みのときで、多い方を基準に返済額を決めるのが、手堅いといえます。

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